トラウマからの回復とは?
久しぶりの更新です。
読み返してみたら、お正月の帰省と親戚廻りでぐったりしてからずっと更新していなかったのですね。
最初は、社会不安障害とのこれまでの付き合いを振り返ろうと意気込んでいたのですが、なかなか意気込み過ぎたのか、記事を書くのに疲れてしまって更新が滞っていました。
あと、やはりブログなので多少読まれている方のことも意識すると、「ちゃんと書かなきゃ!」と気負いすぎていたのかもしれません。
しかし、アクセスを見ると結構このブログを見てくださっている方がいらっしゃるようで、のんびり続けていけたらなと思っています。
さて、本題に入ります。
社会不安障害の自助会に行くと思うのですが、これまで大きな問題なく幸せに生きてきたのに、突然社会不安障害になってしまったという方は、少数派のように思います。私自身がそうですが、家族との関係に問題を抱えていたり、これまでに何らかの生き辛さがあり、それが社会不安障害という形になって現れたということが多いように思います。
私にとっては、社会不安障害は厄介ですが、所詮と言っては変ですが、生き辛さの一部でしかないというか、社会不安障害の苦しみだけで自分の抱えている困難は説明できません。
私が自分自身の生きにくさを考えるときに、キーワードのひとつになるのがトラウマです。トラウマとなるような経験やその記憶とどう折り合いをつけていくかが自分にとっての大きなテーマです。(どんな経験がトラウマになっているのかという話は長いし、書くのもしんどいし面倒だし、ここでは省きます。)
最近、読んだ本がとても参考になりました。
紀伊国屋のサイトには、「世界的第一人者が、トラウマによる脳の改変のメカニズムを解き明かし、薬物療法の限界と、EMDR、ニューロフィードバック、内的家族システム療法、PBSP療法、ヨーガ、演劇など、身体志向のさまざまな治療法の効果を紹介する、全米ベストセラー。」という紹介文が記載されています*1。
この本の面白かったところは、トラウマ的な経験がいかに人の脳に影響を及ぼすかということや、身体という観点からトラウマの治療法について考えていることです。
トラウマとか、精神障害というと、どうしても「心の問題」という観点から扱われがちですが、そもそも心って何?ということです。精神的な不調には脳が関係しており、脳は私たちの身体の一部です。そういう観点から書かれています(たぶん)。
人が気持ちよく生きようと思うとき、身体的なケアって意外と大事だと思います。
例えば、私の場合、体が冷えるとネガティブなことを考えがちになり、調子が悪くなります。「ああ、やっぱり私ってどこか変なんだ。」とか深刻に考えてたけど、意外とお風呂に入ったら元気になったということが結構ありました(^_^;)
この本の著者が、身体に注目するようになったきっかけとして、ある調査のことが紹介されていました。
それは、世界貿易センターのテロから逃げ延びた人たちを対象にした調査で、彼らが体験の影響を乗り越えるのに役立ったものとしてあげたのは、針治療、マッサージ、ヨーガ(ヨガのことですね)、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理方法)だったそうです。
あれ?服薬じゃなくて?カウンセリングでもなくて?認知行動療法でもないの?って感じがしませんか。
著者は、この調査結果からトークセラピー、トラウマについて話すことにはどんな利点があるのかという結構根本的な疑問を持ったそうです。
著者が、具体的に紹介している治療法としては、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理方法)、ヨガ、内的家族システム療法、PBSP療法(ペッソ・ボイデン・システム精神療法)、ニューロフィードバック、演劇などです。
聞いたことない治療法ばかりですが、書籍で触れられている内容については追々書いていこうと思います。
あと、「書くこと」も効果的だと書かれていました。例えば、自分自身に手紙を書くことは、心身の健康の改善に有用だそうです。
とても面白い本なのですが、いかんせん700ページ近くあります。
読むのになかなか体力がいります。